これ、ちょうどいま僕が月例でやってる『シャドウフェル城の影』セッションでも導入し始めたところでして、実際なかなかうまく回っております。
長期のキャンペーンを遊んでいると、どうしても全員は集まれない回というのが出て来ます。そういう場合、欠席者のPCを他のプレイヤーあるいはDMが操る、という解決法をとることが多いのですが、なにしろ他人のPCをフルデータで使いこなすというのは難しい。
そこで欠席者のPCの同行キャラクター・バージョンがあれば、かなーり運用が軽くなるわけです。
「ただし」がありまして、7月くらいにも一度書きましたが
http://asobinin-nagaya.sblo.jp/archives/20100727-1.html
DMG2そのままの同行キャラクターのルールですと、どうしても再現し辛いクラスがあるのですね。たとえばバーバリアンの同行キャラクターは強いけれども、アヴェンジャーの同行キャラクターは今ひとつだとか。シャーマンやドルイドはクラス特徴がないと表現できないとか。
というわけで、今は欠席者が出るたびに、DMである僕が工夫しながら「それっぽい」同行キャラクターの作り方を模索しているという感じです。
というわけで、実例を2つほど。
★アヴェンジャーの場合
アヴェンジャーはもともと威力よりも命中率の高さで勝負する撃破役です。なのでパワー自体の破壊力はそんなに高くありません。そのためDMG2のルールそのままに撃破役同行キャラクターの特徴を与えてしまうと、なんだかショボーンなできあがりに。
というわけで、同行キャラクターの特徴を以下のような、オース・オヴ・エンミティの簡易版に置き換えてみました。
○同行アヴァンジャーの特徴
使用者が近接攻撃を行なう際、使用者に隣接している敵がその目標のみであるなら、使用者は攻撃ロールを2回行なって高い方の結果を使用する。
アヴェンジャーの扱いに慣れていないプレイヤーさんが使うことを配慮し、可能な限りシンプルに。それでいて、なるべく「アヴェンジャーっぽさ」が残るようにしてみました。
一見すると「え? オース・オヴ・エンミティより素直に強くない?」てな感じですが、同行キャラクターはそのレベルの冒険者として最低限の能力しか持っていませんから、そんなに強すぎることにはなりません。
★シャーマンの場合(かなりの大技)
えー、シャーマンを同行キャラクターにしますとですね、クラス特徴がなくなるので[精霊]キーワードのパワーが使えなくなるんですよ。
だからといって、コール・スピリット・コンパニオンのパワーを残すと、同行キャラクターとして使うには重たくなってしまうのが難点で。
そこで考えた! そうだ、PC本人が体調崩したとか用事ができたことにして、精霊の相棒のほうを同行キャラクターにしちゃえ!
英雄たちを助けるため、偉大な原始精霊たちが一時的に力を貸し、精霊の相棒を実体化させてくれたとか、そんな感じで。
いや、キャラ的にもですね。シャーマンを遊ぶ場合って精霊のほうが目立ってたりするじゃないですか。冗談でシャーマンのほうを「中の人」扱いされることもママあるくらいにw
パーティから本人が消えて精霊だけ活躍してても、「あれ? 別にいつもと同じじゃね」てな発言が(ひどいや)
というわけで作ってみた、エルフの3レベル・シャーマンをベースにした、「精霊の相棒」同行キャラクター。基本的にはようするに、ふだん精霊を起点としているパワーを、同行キャラクターを起点として使うようにしただけのものです。あとはDMG2の作成ガイドラインそのままで。
アイルーっぽいど レベル3 指揮役

中型・自然・魔獣 XP――
hp:36;重傷値:18;回復力値:9;回復力使用数:9 イニシアチブ:+3
AC18;頑健16、反応16、意志16 〈知覚〉+14
移動速度:7 夜目
○荒地渡り
この者はシフトを行なう際に移動困難な地形を無視できる。
○集団警戒
この者から5マス以内にいる、エルフ以外のこの者の味方すべての〈知覚〉判定に+1のボーナスを与える。
●標準アクション
○※近接基礎※シビレ罠の術/スピリッツ・ファングズ([原始]◆[無限回]
近接・1(クリーチャー1体);+7対“反応”
ヒット:1d10+6ダメージ
○※近接※千里眼の術/ウォッチャーズ・ストライク([原始])◆[無限回]
近接・1(クリーチャー1体);+7対“反応”
ヒット:1d8+6ダメージ。使用者の次のターンの終了時まで、使用者は攻撃ロールに+1のボーナスと〈知覚〉判定に+5のボーナスを得る。また味方も使用者に隣接している間は同様の利益を得る。
○※遠隔※高速作業の術/ツイン・パンサーズ([原始])◆[遭遇毎]
遠隔・5(クリーチャー1体);+7対“反応”
ヒット:1d8+6ダメージ。使用者の次のターンの終了時まで、使用者と使用者の味方は、使用者に隣接しているすべての敵に対し、攻撃する時に戦術的優位を得る。
効果:同じ目標、あるいは別の目標に対して同じ攻撃ロールをもう一度行なう。
●マイナー・アクション
○指揮役の特徴
遭遇毎に2回、この指揮役はマイナー・アクションとして、自分から5マス以内にいる味方1人に回復力を1回ぶん消費させることができる。
●フリー・アクション
○アイルー・アキュラシィ◆[遭遇毎]
効果:1回の攻撃ロールを再ロールする。2回目の出目の方が悪い結果だったとしても、2回目の結果を適用すること。
●トリガー型のアクション
○角笛の術/エンゲージング・パースト([原始])◆[遭遇毎]
即応・対応:使用者
トリガー:使用者に隣接してターンを開始した敵が、使用者に隣接していない状況で移動を終了する
効果:使用者はトリガーを発生させた敵に隣接するいずれかのマスまでシフトする。
技能:〈自然〉+14、〈知覚〉+14
【筋】 10(+2) 【敏】 12(+3) 【判】 20(+7)
【耐】 14(+4) 【知】 11(±0) 【魅】 08(+1)
属性:無属性 言語:共通語、エルフ語
装備:なし
タグ:TRPG D&D