ここ最近プレイレポートをサボっていたので写真が溜まっております。
というわけで今週はなるべく頑張って消化して行こうかと。
まずは10月22日に遊んだ、月例平日4版セッションのレポートです。
今回はみなさん多忙で参加者少なめ。加えていつもこの集まりのDMを担当されている楯野さんが風邪でダウン。というわけで急遽僕が代打DMに。
プレイヤーが2人しかいないので、各人1人ずつ同行キャラクターを操って4人パーティを組もうということになりました。

左から
ヴァイパー
………同行キャラクターでドラウのレンジャー4。基本的には無限回パワーのツイン・ストライクでひたすら敵を撃ち続けるだけの簡単なお仕事。同行キャラクターなので狩人の獲物は持っておらず、1ラウンドに1回、戦術的優位を与えている敵に対して1d6の追加ダメージを与えます。種族パワーのクラウド・オヴ・ダークネスで周囲に暗闇を作れば条件が整うため、なかなか優秀。
アッシュホーン
………ドラゴンボーンの勇壮なるウォーロード。最前線指揮官+《鉄甲のウォーロード》で防衛役に迫る頑丈さを誇る。今回はパーティの半分が同行キャラクターでアクション・ポイント使用時の効果が得られないのが少し残念。
ガラドグリム
………ドワーフのオーブ・ウィザード。《秘術装具習熟:重刀剣類》、《ドワーフ流武器訓練》、《二丁装具の術者》でバトルクレイズド・コピシュとオーブを併用し大ダメージを与えるビルド。重傷になってからが勝負!
リエル
………同行キャラクターでヒューマンのパラディン(ペイロア)4。防衛役同行キャラクターは基礎攻撃がヒットした敵しかマークできず、また敵がマークを無視した際に使えるクラス特徴も持っていません。というわけで、無限回パワーのアーデント・ストライク、遭遇毎パワーのヴァララス・スマイト、汎用パワーのコール・オヴ・チャレンジで神の制裁をつけるビルド。
使用アドヴェンチャーはダンジョン誌掲載の『Chaos Scar』シリーズから『多眼の石柱(The Piller of Eyes)』。モンスターはパーティ人数にあわせて減らしてあります。
以下ネタバレ注意
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ここ数日、「混沌の傷痕」近辺の住人たちが繰り返し同じ悪夢にうなされている。夢の中には無数の眼を持つ石柱の姿が現れ、人々には理解できぬ言語で何事かを語りかける。しかし言葉の意味はわからずとも、そいつが伝えようとしている意思だけはなぜか理解できるのだ。柱はつぶやいている。「我がもとへ来い。我を解放せよ!」と。
悪夢が続く限り、PCたちも含めた近隣住民は大休憩を取ることができず徐々に疲労していくことになります。なんとかしなければなりません。
幸い、夢に現れる柱は、混沌の傷痕に出入りする者達の多くにとって見覚えのあるものです。混沌の傷痕と安全地帯を隔てる「王の壁」から少し入った草原に立っているこの柱は、外見こそ恐ろしげなものの、今まで特になにか事件の中心となったことはなく、一帯を旅する冒険者たちにとって一種のランドマークとなっていたのです。
ともあれ、悪夢に現れるのがその柱である以上、まずは実際に行って調べてみるのが一番の近道。一行は怪物たちのひしめく草原へと踏み入れます。

近くで見る柱は実にグロテスクな物体でした。石柱といっても人工的に作られた柱であったり、かつて建物の一部であったようには見ません。なにやら溶けた岩が伸び上がった形でかったまったかのようです。それでいて石柱の表面には、どう見ても生き物の眼としか思えない形状の象眼が無数に施されているのです。
そして奇妙なことに、柱の周囲には無数の生き物の骨がばらまかれています。野生の肉食獣が食事場にしているのか、それとも何か知性を持った生き物の仕業なのでしょうか?
ここで技能チャレンジ。〈地下探険〉〈魔法学〉などを使って柱の素性を探るとともに、〈自然〉、〈知覚〉、〈治療〉などを使って、周囲にバラまかれた骨の様子や、最近このあたりを何かが通った様子がないかといったことを調べます。
調査の結果、どうやらこの柱が実際には石化したジバリング・マウザーという怪物であること。そして周囲の足跡から、最近このあたりにダイア・ウルフがやってきたことが判明します。
いったいこの2つには、どのような関連があるのでしょうか?

柱の周囲で頭をひねっていた冒険者たちは、遠くから近づいてくる怪物の気配に気付きます。
やってきたのはウルフにまたがったゴブリンたち。柱の周囲にいるPC一行を見かけると、唸り声をあげて襲いかかってきます。
ちなみにこのGoblin Wolf Riderは、乗り手のゴブリンとウルフがまとめて1体のモンスターとしてデータ化されており、hpも共有。攻撃の目標として乗り手と乗騎を別々に扱ったり、片方だけが倒されるといったことはありません。今後も4版の騎乗モンスターのデータ形式として、こういうものが増えていくのかもしれません。
DDMのGoblin Wolf Riderのミニチュアはあまり持っていないので、『赤い手は滅びのしるし』を遊ぶときに自作したミニチュアを使用。ちなみにウォーハンマーのゴブリン・ウルフライダーのウルフと、同じくGW社の指輪物語シリーズのプラのゴブリンを組み合わせて作りました。

なにせ相手はウルフ。とにかく脚が速い!
くだんの柱がある以外はだだっぴろい平地での戦いなため、あっという間に間合いを詰められます。しかも突撃の攻撃がヒットすると目標を伏せ状態に。いきなりアッシュホーンが転んでピンチ(ミニチュアの下に挟んである黄色いのが伏せ状態マーカー)。

とりあえずアッシュホーンは起き上がり、リエルが神の制裁をバラまいて敵を全員マーク。
ガラドグリムが十八番のオーブマスターズ・インセンディアリィ・デトネーションを放ちますが、結果はいまひとつ。
アッシュホーンはスケイル+ヘヴィ・シールドで防衛役なみのACを誇るため、とりあえずはリエルと2人で戦線を構築したいところ。

しかしなにしろ戦場はだだっ広い野原。
しかもウルフ・ライダーは機会攻撃を誘発せずに離脱し、移動の途中で攻撃するモバイル・メレー・アタックや、PCたちの攻撃がミスするとシフトできるゴブリン・タクティクスという能力を持っています。
そう、ゴブリンとウルフがワンセットで1体のモンスター扱いなので、双方の能力を持っているんですねw
おかげでそう都合良く「戦線」などは構築できません。後ろから攻撃していたガラドグリムにもウルフ・ライダーが襲いかかります。

オーブ・オヴ・ニンブル・ソウツ(『プレイヤーズ・ハンドブックIII』掲載)のパワーなどを使いながら逃げ回るガラドグリム。
アッシュホーンとリエルも動き回るウルフ・ライダーを追いかけながらの戦いです。
こういうとき強いのが遠隔撃破役。ヴァイパーはクラウド・オヴ・ダークネスで暗闇に隠れながら狙撃します。
第1戦からアッシュホーンが重傷になるものの、なんとか最後のゴブリンを撃退。
倒したゴブリン・ウルフ・ライダーの荷物を調べると、柱のまわりに巻くためでしょうか、骨がたくさん入った袋を持っていました。よくわかりませんが、何かこの柱に捧げものをしているか、何らかの儀式を行おうとしているようです。
柱の正体が石化した怪物であると判った以上、これを破壊するという選択肢もあります。
しかしなにしろ大きな石の固まりなので相当に時間がかかります。ゴブリンたちに仲間がいるなら、作業中にまた襲いかかってくるかもしれません。

まずはゴブリン一党をどうにかしよう。そう方針を固めた冒険者たちは、ウルフの足跡をたどって、森の中にある奇妙な建物(?)へとたどり着きました。
土やゴミクズなどを固めて作った、大きな蟻塚のようにも、ちょっとした丘のようにも見えるその建物。見たところ入り口は一つだけですが………そこには見張りに立っているとおぼしきバグベアの姿が。

モーニングスターを手に襲いかかってくるバグベアと交戦。
しかし4版、しかもChaos Scarの遭遇がそんな単純なはずはありません。奥の洞窟にはショートボウを手にしたゴブリンたちが。遮蔽を利用しながら矢を放ってくるのが地味にうっとうしい。

かといってバグベアをフリーにするとガラドグリムが襲われます。
リエルとアッシュホーンでバグベアの攻撃を受け止め、暗視持ちのヴァイパーが洞窟に踏み込んでゴブリンと射撃戦を繰り広げる作戦。

バグベアを1匹始末したところで、ゴブリンたちが逃亡!
これは援軍をつれてくるに違いありません。しかしまだ入り口にはバグベアの片割れが踏ん張っています。

遠距離で攻撃できるヴァイパーとガラドグリムがゴブリンたちを追撃。
1匹倒しましたが、今度はバグベアがPCたちの前衛組を無視してガラドグリムに肉迫。こういうとき、脚の速い前衛がいないのは悲しい……

なんとかバグベアを倒し、最後はガラドグリムが一日毎パワーのフレイミング・スフィアーまで使ってゴブリンの逃亡を阻止。
まだダンジョンの入り口なんですが……

入り口の奥はゴブリンやバグベアの寝床。そこから伸びる2つの通路のうち、ゴブリンが逃げようとした先の道には何やら生き物のいそうな物音が。
おそらくこちら側にゴブリンの仲間がいるのではないかと見当をつけて進みます。

と、通路を少し進んだところで先頭に立っていたヴァイパーが罠を踏んでしまいます。なにやら地面に変な溝があったことには気付いたのですが、実際にどこを踏んだらマズいのかがわからず、結果として天井から襲いかかる振り子状の刃にザクっと! しかも転倒!
そして思った通り奥の部屋にはモンスターが! ダイア・ウルフ、バグベア、そしてまだPCたちの視界には入りませんが、バーゲスともいます。

で、実はこの遭遇、実際にやってみて気がついたんですがちょいと仕掛けがうまく働いてない。
この罠、2マス幅の通路のうち2マス×2マスの範囲に踏み込むと機会アクションで攻撃してきます。それと同時に奥のモンスターたちに向かって警報を発するのですが………
奥のモンスター、どれも遠隔攻撃を持っていないんですよね。つまり罠が解除されるかPCたちが罠を通り過ぎるまでは、むこうもロクな攻撃ができない。
しかもダイア・ウルフは大型クリーチャーなので2マス幅の通路では渋滞を起こします。
うーん、基本的にPCたちが罠を回避してくることを想定しているのかなあ。それにしてもこのサイズのマップにダイア・ウルフ2体は無意味な気が。もっと早めに読み込んで遭遇を改造しておいたほうが良かったかも。

ほぼ近接攻撃しかできないモンスターたちに対し、PC側にはウィザードと弓レンジャーがいるわけです。
このままではモンスターが一方的に不利なので、近づいたバグベアの絞め殺し屋が罠のスイッチをオンオフしたり、バーゲストがオーラでPCを引き寄せたりと、なんだかグダグダな膠着戦が。
Chaos Scarシリーズの遭遇でこんなにモンスター側がダメダメだったのは初めてかもしれない……

頑張ったところでPCが地形的に有利なことは変わりなく、ひたすら戦力を削られて行くモンスターたち。
なにが酷いって、ボスが戦ってるのにダイア・ウルフが渋滞起こして参戦できない。

第3ラウンドにカーテンの奥から援軍のノーカー(ゴブリンの一種)が現れるんですが、出て来たときにはボスもバグベアも殺されて、通路に1体ずつしか入れないダイア・ウルフが順番に始末されている段階。
機会攻撃をくらいながらもPCたちの横を通り抜け、再び罠のスイッチを入れるとか頑張ったんですが………まあ結果は推して知るべし。
バーゲストの部屋にはリムーヴ・アフリクションの巻物と、儀式に使うレシデュウムが420gpぶんほど残っていました。どうやら混沌の傷痕に進入する冒険者などを襲ってレシデュウムを集め、儀式を使って石化したジバリング・マウザーを復活させようと企んでいたようです。構成要素が集まりきらないうちにバーゲストの企みを阻止できたのは幸いと言えましょう。
あとはこのアジトの残党を掃討し、石化したジバリング・マウザーを破壊して後顧の憂いを断つのみ。
一行は物音がしなかったので素通りした、もう一方の通路へと向かいます。

音がしないんだから倉庫か何かか? まあボスは倒したし大した敵は残っていないだろう………
それが油断でした! 天井からポトリポトリと、グリーン・スライムが降って来て不意討ち。さらには戦いの物音を聞いて、奥からラスト・モンスターが走り出て来ます。
そうか、ラスト・モンスター使ってレシデュウムを抽出してたんだな……
(まだグリーン・スライムのミニチュアが出てないので、オーカー・ジェリーで代用)

前世の記憶(プレイヤー知識とも言う)からラスト・モンスターにびびるプレイヤーたち。
しかし本当に恐ろしいのはグリーン・スライムのほうでした。
・近接基礎攻撃が対ACではなく対“反応”
・ヒットするとつかまれる
・つかまれている間は継続的[酸]。
・グリーン・スライムを攻撃すると、スライムとつかまれているPCにそれぞれ半減ダメージ。
つかまれた味方を放っておくと死ぬ! しかしスライムを攻撃すると味方にもダメージが入る。げふう。
とりあえず、ガラドグリムは距離をとるべく後退。つかまれると脱出はほぼ無理でしょうし。しかしこの地形で後退すると、ロクに効果線が通らないというジレンマが。
一方、後ろを塞がれていたため、部屋の中に逃げ込むしかなかったヴァイパー。クラウド・オヴ・ダークネスに隠れてラスト・モンスターを攻撃しますが、残ったグリーン・スライムは“無視覚”なんですよねー。

なんとかラスト・モンスターを始末したものの、スライムどもはまだまだ健在。部屋の奥で奮闘するヴァイパーを見捨てるわけずにも行かず、アッシュホーンが突貫します。
秩序にして善、バハムートに仕えるウォーロードとしては、味方を見捨てることなどできないのです。

しかしスライム3体相手の戦いはさすがに厳しい!
リエルは重傷、そしてアッシュホーンはついに瀕死状態!(ミニチュアがでかいので横に倒さず、したに瀕死状態マーカーをつけています)。
今回のパーティで回復パワーを使えるのはアッシュホーンだけ。これはヤバい!
リエルが〈治療〉判定でアッシュホーンに底力を使わせようとしますが………失敗……
グリーン・スライムに対する攻撃の手をそうそう休めるわけにもいかず、それどころかリエル自身も再度組みつかれては振りほどいての繰り返し。
そうこうするうちにアッシュホーンが死亡セーヴィング・スローに失敗しはじめて……

なんとかスライムを減らし、残るは最後の1匹。
肉迫されつつもヴァイパーがツイン・ストライクでダメージを与え続け、あと一歩で敵を殲滅できそうな。
しかしアッシュホーンはすでに死亡セーヴィング・スローに2回失敗しているのです。
そして巡ってきた次のターン、アッシュホーンのロールした目は……

………5
3回目の死亡セーヴィング・スローに失敗。
ぎりぎりのところで最後のグリーン・スライムを倒したものの、このシリーズのセッションで初の死亡者が。
残った3人の冒険者たちは、ゴブリンどものアジトに残党がいないことを確認し、石化したジバリング・マウザーの破壊に向かいます。かくして近隣の人々を夜ごと悩ませた悪夢のもとは取り除かれ、おぞましい怪物の復活も阻止できたのです。
目的は果たせたものの、大切な仲間の一人を失ったことで苦い勝利となりました。
しかし最後まで味方を見捨てず、敵に立ち向かったアッシュホーンの姿は、まさしくバハムートの教えに従ったものと言えましょう。
さらばアッシュホーン、誇り高き友よ。やすらかに眠れ。
……といった感じに盛り上がったわけですが、セッション後の相談の結果、担当プレイヤー氏の希望によりアッシュホーンが復活したのかどうかはボカしておき、次回から新たなPCを投入することに。
基本的にこの集まりでやってるのは、あまりガッチりしたキャンペーンではなく、その回その回で参加できるプレイヤーがPCを持ち寄って単発アドベンチャーを遊ぼうというものです。
ですので、PCの死というのはショックである反面、新しいPCを試してみる良いきっかけだとも言えます。
また話の連続性や財産の管理がルーズなため、もしまたアッシュホーンを使いたくなることがあったら、実は誰かが復活させていたとか、何らかのイベントで復活したとか、そういう理由をつけて再登場させることも加としておきました。
D&Dは魔法による死者の復活があるゲームであると同時に、「復活するかどうかはPCの意思と気力次第」。ようはプレイヤーがそのPCを続けて遊びたいかどうか、キャンペーンにおいて「PCの死」の重みをどう扱いたいかのかといったことに合わせて、わりとファジーに運用できるようになっているのです。
というわけで、こういうのもD&Dの遊び方の一つとして有りではないかと思っております。