2010年07月27日

同行キャラクターのお話

こちらの日記にありますが、偶然にもプレイヤー2名でD&D4版をプレイヤー2人で遊ぶ機会がありまして、せっかくだから『ダンジョン・マスターズ・ガイドII』に掲載されている同行キャラクターを試してみました。

http://asobinin-nagaya.sblo.jp/archives/20100725-1.html

で、実際やってみるとプレイヤー2人、各人がPC1人+同行キャラクター1人担当というのが意外にも非常に快適な環境だったんですね。

D&D4版は4つの役割がはっきりしていまして、PCが4人を割るとだんだんキツくなってきます。

まあ4版には多芸なキャラクターを作る方法として、もともと2つめの役割の要素を強く持つクラスを使う、マルチクラス特技を修得する、10月に日本語版が出る『プレイヤーズ・ハンドブックIII』掲載のハイブリッド・キャラクターを使う、とかがあるわけですが。

しかしこういったルールを駆使してキャラクターを作っても、やはり2人とか3人のパーティはキツい。なんといっても戦闘では手数がものを言いますし、誰か、特に指揮役が瀕死状態になったときに、せめて〈治療〉判定で底力を使わせてくれるキャラだけでも居てくれたほうが有り難い。

そういう意味で、やはりPC2人とか3人で無理矢理冒険するよりは、同行キャラクターを作って最低4人以上のパーティをこしらえたほうが安定感があります。

そして同行キャラクターの取り回しは本当に軽い! なにせ無限回パワー1つ、遭遇毎パワー1つ、汎用パワー1つしか持ってないので、あまり迷う部分がないんですね。一日毎パワーもアクション・ポイントもないから、基本的に「この遭遇で使うかとっとくか」を管理しなければならないものがない(汎用パワーが一日毎の場合は一応ありますが)。あと魔法のアイテムも持っていないので管理が楽です。

実際、2人のプレイヤーが自PCと同行キャラクターを1人ずつ持って冒険したときに1遭遇にかかる物理的な時間は、プレイヤーが4人以上いる場合に比べても短い者でした。かな〜〜りサクサクまわります。

最初このルールを読んだときは、アクション・ポイントや一日毎パワーがないぶん弱すぎるんじゃないだろうかと思ってましたが、そちらは防御値、特にAC以外の防御値が安定的に高いおかげで比較的打たれ強いという特徴である程度は相殺してくれます。といっても、同行キャラクターのほうがPCより多いとなると、ちょっとパーティ全体の瞬発力が低すぎることになるかもしれません。

ともあれ、思った以上に「使える」ルールだという感触を受けました。

ただし、がありまして、

有能な同行キャラクターを作るには、かなりコツがいるんじゃないかと思われます。現状まだモンスターを元にした同行キャラクターは作ってみていないので、PC用の種族とクラスをもとにした場合についてのみの話ですが、まず注意しなければならないのは、クラス特徴ではなくパワーの強いクラスを選ぶこと。

なにしろ同行キャラクターは通常のクラス特徴を一切持っておらず、撃破役、指揮役、制御役、防衛役のそれぞれに関する簡単な特徴を持っているだけです。このため役割を果たすための性能をクラス特徴に大きく頼っているクラスを元に作ると今ひとつになってしまいます。

現状、日本語版で出ているクラスの中で、各役割ごとにお勧めなのは

撃破役………バーバリアン、レンジャー

アヴェンジャー、ウォーロック、ソーサラー、ローグはヒット率の高さやダメージの高さをクラス特徴に頼っているのでイマイチです。特にアヴェンジャーは無意味。ウォーロックと同行撃破役なら追加ダメージ自体は同じ+1d6、ソーサラーも【筋力】や【敏捷力】の修正値が1d6に置き換わったと考えるなら差は大きくないように見えます。ですが、遠隔攻撃が主体であるウォーロックやソーサラーが戦術的優位を得るのは難しい。

一方でレンジャーは近接攻撃なら味方の防衛役などと挟撃することはできますし、ツイン・ストライクでひたすらロングボウを撃っているだけでもそれなりにダメージがいきます。ツイン・ストライクをメインに戦うなら、どうせダメージに能力修正値が乗らないパワーなんですから、【筋力】や【敏捷力】に拘らず【判断力】などを高くして、パワーの効果でシフトできる距離とか技能修正値のほうを重視するという手もありでしょう。バーバリアンにいたっては、他のクラスより高めな無限回パワーのダメージに、戦術的優位を得ればさらに+1d6が加わるので、1レベルあたりだと下手なPCバーバリアンより強いかもしれませんw

指揮役………アーティフィサー、ウォーロード、クレリック、バード

他の指揮役もいろいろ失うものは多いですが、特にシャーマンは精霊がいないと使えるパワーがえらく限定されるので辛いところ。他のクラスは逆に、同行キャラクターの攻撃ボーナスが能力値に依存しないのを良いことに、味方にボーナスを与える際に使用する能力値だけを高くするといった裏技も使えます。たとえばウォーロードで【筋力】じゃなく【知力】を最大値にしてコマンダーズ・ストライクを連発するとか、アーティフィサーで【耐久力】や【判断力】を最大値にしてマジック・ウェポンを使うとかですね。またクレリックの場合には、【筋力】と【判断力】の両方を高くしなくてもすべてのパワーの攻撃ボーナスが一律に高いという利点があります。

制御役………インヴォーカー、ウィザード

ドルイドはなにしろワイルド・シェイプが使えないのでいかんともし難い。もともと他の2つの制御役に比べて2次的な役割が強いので、そのぶん純粋な制御役としてみるとパワーの力不足がいなめませんし、辛いでしょう。インヴォーカーとウィザードはパワー自体で制御役としての性能を出せるのでけっこう行けると思います。ただし柔軟性は大幅に下がるので、無限回、遭遇毎、汎用の各パワーの選択は慎重に。

防衛役………パラディン一択(しかも『信仰の書』必須)

なにしろクラス特徴を失い、かつ近接基礎攻撃でしかマークできないわけです。つまり遭遇毎パワーはマークの発生するものを選ばないと単なるダメージ源。そしてマークした相手が自分を目標に含まない攻撃を行なってもクラス特徴に基づいた効果やパワーは使えないのです。この点パラディンは『信仰の書』から“神の制裁”の発生するパワーだけを選べば問題無し。“神の制裁”のルール自体はクラス特徴じゃないので、パラディンを無視した場合の[光輝]ダメージもきちんと発生します。無限回パワーはアーデント・ストライク、遭遇毎パワーはヴァララス・スマイトあたりで良いでしょう。2レベル以上の同行キャラクターなら汎用パワーでコール・オヴ・チャレンジを選択すれば完璧ですね。

大雑把に言うとこんな感じでしょうか。

なお、同行キャラクターのデータは基本的にDMが作成するものですが、あまりに強くなりすぎたりしないようにDMが監視するならプレイヤーが作成してもかまわないでしょう。大ざっぱな感想としては、少なくともPC用種族とクラスを組み合わせて作っている限りは、そんなに強すぎるキャラクターはできないと思います。

作り方によってはまだ別の可能性があるかもしれませんし、モンスターのデータをベースに作るならまた話は変わってくるでしょう。みなさんもぜひ研究してみてください。
posted by 遊び人の伸さん at 08:36| Comment(2) | TrackBack(0) | D&D
この記事へのコメント
同行キャラクターは、管理が大変でプレイが重くなるだけなのではないかと、よく読まずに思い込んでいたクチです。

ハァ、これは面白そうですね。
次回使ってみようかしらん。[光輝]ダメージ源が欲しい!とPTから怨嗟の声があがっていた気がするので(苦笑い)
Posted by 黒猫トム at 2010年07月27日 09:07
>黒猫トムさん
作っちゃった後の取り回しはかなり簡単ですね。このあいだのキャラは汎用パワーに一日毎のを選びましたが、あれが遭遇毎とか無限回だったらもっと何も考えずにすんだかも。

あと、全般的に言って後方支援要員のほうが動きを考えることが少なくて楽かと思います。[光輝]ダメージ源だとハンド・オヴ・レイディアンスを選んだインヴォーカーとか、セイクリッド・フレイムを連発するレーザー・クレリックあたりがお勧めでしょうか。
Posted by 遊び人の伸さん at 2010年07月27日 09:58
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