2010年12月17日

ダイスを通販しているお店

長年TRPGやらボードゲームやらを遊んでおりますと、「ダイスは天下の回りもの」なんて冗談が飛び交うようになりまして。

家に合計何個ダイスがあるんだか良くわからない。セッションだのコンベンションだのに行くたびに、ダイス入れの中身が減っていたり、逆に見知らぬダイスが飛び込んでいたりする。

てな感じで、ついついダイスなんぞは身近にあってあたりまえ、というふうに感覚が麻痺してしまいがちなんですが。

行きつけのホビー・ショップがある、というのでもないかぎり、ダイス(サイコロ)を買うってのは、けっこうな難易度なんですな。たとえば僕の地元の阿佐ヶ谷のアーケード街、あそこは都内でもけっこう大きめの商店街だと思うんですが、ずーっと歩き回っても、多面体ダイスどころか普通の立方体の6面ダイスも、ほとんど見かけません。

よーく探して唯一見つけたのが、100円ショップのダイソーで売っていた、トランプ1組+ダイス2個(3個だったかな?)が入ったセットだけ。そりゃたとえば麻雀セットを買えば中には入ってるでしょうけど、ダイスだけ買おうとすると、意外と普通の街にはないものです。

じゃあ通販で、と思ってAmazon.co.jpで検索すれば、いくつかダイスは出てくるんですが、どれもマーケット・プレイスの商品。アマゾン直販はないし、種類もいまひとつ。

Amazon.comのほうなら山ほど売っているんですけど、残念ながら玩具関連は日本に発送してくれないんですね。

TRPGのルールブックは本屋さんでもアマゾンでも買えますが、いまやダイスの入手のほうが難関かもしれない。こりゃいかん、というわけで、TRPGに使う多面体ダイスを通販しているサイト(日本語のもの)をピックアップしてみました。

●紀伊國屋書店BookWeb
http://bookweb.kinokuniya.co.jp/

ここは「洋書・洋古書」のコーナーで海外のゲームやD&D関連書籍も扱っており、D&D専用ダイスやFantasy Flight社のダイスも買うことができます。「Dice」で検索をかけてみると良いでしょう。

またD&Dの英語版を追っかけている人は、Amazon.co.jpが扱っていない商品を見つけられるかも。

●イエロー・サブマリンの通販ショップ
http://ysgame.shop-pro.jp/

言わずと知れた大手ホビーショップチェーンの通販部門。ダイス専用のコーナーがあります。種類も豊富なんですが、一部のダイスの写真がないのがちょっと残念。ミニダイスの7個セットとか、何面体が何個入っているのか書いてほしーなー。

●プレイスペース広島・通販部
http://www.ps-hiroshima.com/

こちらも老舗のホビーショップの通販部。ダイスコーナーは色と形で表になっていて判りやすく、値段もリーズナブル。

●Eda Garage
http://www.rakuten.ne.jp/gold/headwear/index.html

楽天に出展しているアメリカ直輸入グッズのお店。3面体、5面体、7面体、14面体、16面体、24面体、30面体、100面体といった変わり種のダイスも置いてあります。

●銀河企画オンライン(下のほうにダイスのコーナーがあります)
http://comi.jp/

有限会社銀河企画のオンライン・ショップ。同社の製品の他、各種の卓上ゲームや関連商品を販売しています。下のほうに「多面体ダイス」のコーナーがあります。
タグ:TRPG
posted by 遊び人の伸さん at 21:08| Comment(0) | TrackBack(0) | TRPG

2010年12月09日

祝『アイドルinエルシア』完結

わざわざこのページを見に来るような、コアなD&Dファンの方々にとってはいまさらご紹介するまでもないかと思いますが、D&D3.5版における最高傑作と名高い『赤い手は滅びのしるし』を、アイドル・マスターのキャラクターを架空のプレイヤーに見立てるという方式でリプレイ動画にされた方がおられます。

2009年の9月にスタートしたこのシリーズが、連載期間1年3ヶ月、全27本(!)という大作として、ついにフィナーレを迎えられました。
(これに加えて「導入」の約1年前に「予告編」がアップされています)

こちらが導入



そしてこちらが最後の1話「完結+後日談」



いや実に面白かった。そして、制作者のバイタリティに圧倒されました。

こういう動画の作成を可能にする各種ツールの発達、動画を気軽に発表できるニコニコ動画という場の発展。

そういう前提が整って来た時代である、ということを差し引いても、この動画の作成に込められた情熱と作業量はすさまじいもののはずです。

いやはや、脱帽するしかありません。


そしてこのリプレイは、僕にとって非常に衝撃的な体験となりました。

まず面白かった。とにかく面白かった。

友人知人にプロ作家としてリプレイを発信している人もいるなか、こう言い切っちゃうと各方面からおしかりを受けそうな気もするのですが、それでもあえて言います。


今までに体験したTRPGのリプレイの中で、少なくとも僕個人にとっては、

いちばん面白く、そして衝撃的な作品でした。



さて、じゃあなんでそんなに楽しめたんだろう、と考えるとですね、おそらく大きな要因は3つくらいあります。

(以下はあくまで「僕が個人的に楽しめた理由」。そして『アイドルinエルシア』はそんな小理屈を読まなくても楽しめる作品ですから、面倒な人はこの後はすっとばして、とにかく動画のリンクに直行して下さいw)


・「自分が実際に遊んだキャンペーンのリプレイであったこと」

これはでかかった。はっきり言って目から鱗でしたね。

リプレイってのはたいがい、それ専用のシナリオを作ってプレイして、それを元に書かれているわけです。まあそこには当然、売ってるシナリオのリプレイをやっちゃうとこれから遊びたいプレイヤーさんは読まんだろうとか、GMもネタバレの危険があって嫌だろうとか、そもそも特定のシナリオという商品を持っていることを前提とした商品は企画として通り難いとか、そういう事情や配慮があるわけですが。

ただ、「新しい物語」の「読み物」であると考えた場合には、別にTRPGのリプレイじゃなくても良いじゃない、と感じてしまうことがあるんですよ。小説、漫画、ドラマ、映画、等々は純粋に「新しい面白いお話を読ませる/観せる」のが目的ですから、創作物として素直に完成度の高い作品がゴロゴロ転がってますし。

もちろんリプレイには、対応するTRPGの世界観を伝えるとか、TRPGを遊んでいる「楽しそうな雰囲気」を共有させるとか、そういうまったく別の役割もあるわけですが。

僕はその部分に関しても、どうにもTRPGのリプレイに「物足りなさ」を感じていました。なんといいますかね、リプレイ専用に作られたシナリオのリプレイを見せられても、今後そいつを実際に自分で遊ぶことはないだろうから、あまり興味をひかれない。

あとTRPGってのは水物で、用意されたシナリオが同じであっても、そのときどきのメンツがどうするかによって、ぜんぜん違った展開を見せるわけです。だから読み手の目にさらされない(リプレイのGMしか知らない)特定のシナリオから発生した「1つのプレイ結果」だけを見せられても、あんまりプレイングやマスタリングの参考にはならない。GMが準備していたシナリオに対し、プレイヤーがもっと別のアプローチをしていたらどうなったのか、そのあたりが見えにくい。

あるいは既製シナリオにおいて「運用に悩む」ぶぶんをDMがどうこなしていくのか、そういったテクニックも見えてこない。

これがウォーゲーム、カードゲーム、ボードゲームとかの他のアナログゲームのリプレイ、あるいはビデオゲームの実況やプレイレポートなんかですと、もっと技術的に参考にできる部分が多いのですが。

ところが『アイドルinエルシア』は、僕が実際にDMとして冒険シナリオの内容を読み込んで、プレイヤーがなにをやったらなにが起こりうるのか、DMがどういう対応をとりうるのかという裏側もぜんぶ知っていて、

しかも実際に半年くらいかけて実際に走らせたキャンペーン・シナリオのリプレイだったわけです。

いままでに、こういう出会いはありませんでした。

で、面白かった。とにかく面白かった。問答無用で面白かった。

まあまず、自分が実際にそれなりの年月と労力を費やして遊んだ、いわば人生の一時期、生活のかなり大きなぶぶんを占めていた冒険シナリオであるというところで、「観たい」という衝動の起こり方がぜんぜん違いました。

自分たちが遊んだあの冒険に、うちのプレイヤーさんたち必死でくぐり抜けたあの危難に、この人たちはどう立ち向かっていくんだろうか、そこに興味がわきました。

そして実際にリプレイが進むと、なにしろシナリオの中身や「しかけ」を知っているもんですから、まんまと罠にひっかかるPC、新たな真実を知って愕然とするプレイヤーのリアクションを観ては「あるあるw」と楽しめる。

また、参考にもなりました。

なにしろ僕は、シナリオに「なにが書いてあるか」も「なには書いていないのか」も全部知っているわけです。おかげで、ああなるほど、DMの運用テクニックとしてこういうのもアリか、ああ、この状況に対してこう対応するプレイヤーさんもいるのか、と参考になるぶぶんも多い。

結果として「リプレイ専用に作られたシナリオのプレイ結果」を見せられるより何倍も、DMとして、プレイヤーとして、学ぶところや得るところが大きかったと言えます。


・「アイドルマスターのキャラクターを使用したスター・プレイヤー・システム」

TRPGリプレイという作品には、2つのレイヤーで「登場人物」が存在します。片方はTRPGセッションの「中」に登場するPCとNPC。そしてもう一方は、セッションを遊ぶプレイヤーたちとGMです。

で、作品の登場人物ってのは、キャラが立っていて、かつそのキャラの把握が素早くできるというのが、かなりの利点になります。キャラが立ってなきゃ面白くないですし、キャラ紹介に時間をかけていたらダレます。ただでさえ「PC」や「NPC」のキャラを説明する手間があるのに、プレイヤーとGMのキャラ立てまで必要。これがけっこうリプレイでは辛いわけです。

ところが、『アイドルinエルシア』では、「プレイヤー」と「GM」いう「登場人物」をアイマスの有名キャラクターたちに「演じさせる」ことにより、一気にキャラ立てを行なってしまったわけです。

えー、実のところ僕はアイマス関連のゲームを直接プレイしたことは一度もありません。ですがなにしろ(少なくともニコニ動画では)露出の多い作品ですし、登場キャラクターを題材にした動画なんかもそれなりに見ていますから、なんとなくメジャーなキャラクターは把握しております。またWikiPediaやニコニコ大百科なんて便利なものがあるおかげで、簡単に各キャラのプロフィールやいじられ所を把握することができます。

おかげで、このリプレイ内で「真」や「雪歩」についての説明がまったくなくても、いきなり「プレイヤー」と「GM」のキャラをつかみ、親しみを持つことができました。これはなかなか、商業リプレイでは真似ができないw

もちろんプレイヤーやGMというキャラクターの描写は控えめにし、「PC」と「NPC」の描写にのみ注力するという手法もあるでしょう。しかしそれですと、「参加者がゲームをプレイし、楽しみ、決断を行なっている描写」は薄くなります。TRPGセッションの「中の世界」で行なわれたPCやNPCの「決断と行動」しか残らないのです。

また卓を囲むメンツとして「フィクション上のキャラクター」を立てることにより、ある意味「生々しさや違和感(たとえばムクツケキ中年男性が美少女キャラを演じるとか)」を減じさせたり、プレイヤーにコミカルなリアクションや激しく感情的な演技をさせても嫌味を感じさせなかったり、といった効果もあったかと思います。


・「ヴィジュアル・リプレイの可能性」

いやまったく、やられたなー、と思いました。

ご存知の通り、TRPGというものは主に出版物として展開してきたわけです。メディアミックスを行なった作品は多々ありますが、それはあくまでも「TRPGを原作としたアニメ作品」とかであって、TRPGそのものや、TRPGのリプレイが映像作品であったということは、ほとんどありません(カードゲームに関してはけっこう試合の記録映像とか、チュートリアル動画なんかを作ってるんですが)。

昨今はTRPGのルールブックそのものに関しても、電子ブックなど紙の本以外の媒体の模索が始まっています。しかし実のところルールブック以上に「媒体の制約」を強く受けていたのが、リプレイなのではないかと思います。

リプレイでは可能な限り

・プレイヤー/DMという参加者の言動や決断の描写
・PC/NPCという「TRPG世界の中の登場人物」の言動や決断の描写
・TRPGの中の世界の描写
・ルールの具体的な運用の描写

こういったことを全部行ないたいわけです。しかし、いかんせん書籍、しかも主に文章で構成されたリプレイによって、これらすべてを判り易く、バランスよく表現するというのは難しい。

書籍でもそうですが、特に雑誌連載のリプレイなどは、常に紙面の量、イラストや図表の占める面積などとの戦いを強いられます。

その点、動画を用いたリプレイというのは凄いものです。

PCが動いて何かを行なっている描写と、担当プレイヤーの発言やリアクションの描写を同時に映し出すことができる。

DMが状況描写を行なっている背景に、そのとき描写されようとしている場面の映像を映すことができる。

ゲーム上のデータも豊富に表示することができる。

そしてD&Dのようにタクティカルな戦闘を行なうゲームでは、ターンごとにどうPCが行動したのかを、画面上の動きとして描写することもできる。

ダイスやカードといった乱数発生装置が思いもよらぬ結果を生み出した、そういった一瞬のできごとすらも、動きのある描写によってドラマチックに演出できる。

加えて演出を上手くやれば、これら全部を詰め込んでも「だれない」作品を作ることができる。

これは画期的です。

商業でやろうとした場合には、単に技法というだけでなく、コストや労力といった面で難しい事情はあるのですが。

それにしても、ことリプレイという面においては、すでにユーザー・サイドのほうが、プロの側をはるかに追い越してしまったのではないかとすら思いました。



元来TRPGというのは、ユーザーの手に委ねられるぶぶんの大きい趣味です。商業作品として送り出されるルールブックやシナリオは、あくまでもユーザーが楽しく遊ぶための「遊び道具」 それらをユーザーが実際に使って遊び、ゲームを体験することによって初めてゲームが完成するものなのです。

そしてそのぶん、ユーザーが創造性を発揮する余地のある趣味であるとも言えます。

今後もこういったリプレイに限らず、まだまだいくらでも、制作者サイドの想像を越えた面白い試みが飛び出して来るのかもしれません。

次はいったい、どんな怪物が現れるのでしょうか。TRPG業界の一端を担うものとして、いや1人のTRPGマニアとして、期待をせずにはいられません。
タグ:TRPG D&D
posted by 遊び人の伸さん at 19:21| Comment(0) | TrackBack(0) | D&D

2010年12月08日

【緩募】Macでファックスの送受信?

また日が空いてしまいました。ちょいと風邪引いたりしておりましたが、とりあえずなんとか生存している遊び人です。

さて、仕事上のやりとりがメールに移って十数年、いやもっとでしょうか? めっきりFaxというものを使わなくなってしまったのですが、同居している母はそれなりに使っております。でもって最近ちょっとひさびさに、仕事上のやりとりでもFaxを使う機会があったわけですが

実は我が家のファックス付き電話の調子がよろしくない(^_^;)

具体的に言いますと、送信する際に紙を巻き込む力が弱っているらしく、受信は問題なくできるんですが送信にしょっちゅう失敗するのです。

で、まあ電話機自体の買い替えも当然、視野に入っているわけですが。

そういや我が家にはMacintoshが2台もあるんだよなー。でもって確かMac OS Xにはデフォルトでプリントアウト先をファックス送信にする機能があったよなーと。

だいたい僕はほとんどの文書をMac上で作るわけですから、いちいちプリントアウトせずに直接発信できれば、それに越したことはない。受信のほうも、いちいち紙で出てくるよりも、ハードディスクの中にイメージとして溜め込んでおけるのなら、そのほうが楽。

記憶が確かなら、その昔まだアナログモデムが一般的だったころには、パソコン(我が家の場合はMacですが)に電話線が直接ささっていたので、何度かファックスの送信はやったことがあります。ですが受信のほうをやった覚えはありません。

でもって、今はMac自体にはイーサネットのケーブルしか繋がってないわけです。なのでたぶん、これとは別に電話回線のほうになんか装置をくっつけねばならんのだろうなーと。

まあそのあたりをウェブで調べてみまして、

とりあえず現状、僕の部屋の環境が

・Mac OS X 10.6の走っているMac
・NTTの光回線を使用。MacにはNTTのルータからイーサのケーブルが繋がっている
・電話も使っているので、NTTのルータからは電話回線も伸びており、普通の留守録つき電話機に繋がっている。

この状態だと、どうやら「外付けUSBモデム」ってやつをくっけて、こいつを電話回線に繋いでやれば良いのだ、ということがわかりました。

で、まあこれはいいんですけどね。

こういうUSBモデムって、電話機との併用はどうなってるんでしょうかね?

たとえばこいつをUSBハブの端っこにくっつけて、電話回線を2つに分岐して、電話機とUSBモデムに繋いだとします。たぶん発信のほうは問題なく行くでしょう。

受信のときってどうなるんでしょうか? まずは自分が手動で電話を受けて、ファックスの送信音(ピーピーガーガー言うやつ)を聞いて、手動でMacを操作して受信せねばいかんのでしょうかね?

それとも何か、自動でFaxの信号を感知して受信してくれるようなアプリケーションがあるんでしょうか? あったとしても、電話機の留守録機能との連携がうまく行かないような気がするんですが、そのあたりどうなんでしょうか?

どなたか詳しい方がおられたら、お教えいただけると助かります。

まあ無理だったり面倒だったりするなら、送信だけMacからやって、受信はFax付き電話機で、でもかまわないのですが。
posted by 遊び人の伸さん at 16:43| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2010年12月03日

エッセンシャルズ・ラインは既存のD&D4版の版上げだ/互換性がない、という誤解について

日付をまたいで変な時間になってしまったのですが、ツイッターとかメールとかメッセージとかで最近この話題を振られることが多くなったので、忘れないうちに書いておこうかと思います。

現在まだ「赤箱」以外のエッセンシャル・シリーズは、日本語版の出版予定が発表されていないため、このラインに関する情報が少なく、タイトルに書いたような誤解を持っている人が増えつつあると聞きました。

実際のところ、これは完全な誤解なのですが、あんまりこのまま、デマが広がり続けるのもナニかなーと思うので、ここらで誤解をとくための記事を書いておこうかと。

まあこれは僕がWotCの記事を読んだり、今までに英語版が発売されているエッセンシャルズ・シリーズを読んで自分なりに解釈した結果の意見なので、もちろん異論がある方もおられるとは思いますが、とりあえず。

あと、何か僕が読み間違いをやらかしている箇所があったら、御指摘いただけると助かります。


といっても、まずは断言しておきましょう。

エッセンシャルズ(D&D Essentials)シリーズの本は、『D&D4.5版』のような版上げでもなければ、既存のD&D第4版と混ぜて遊べないような、互換性のないサプリメントでもありません。


4版には発売以来、定期的にルールのアップデートがかかっていますから、現在アメリカで展開中のエッセンシャルズ・シリーズに「現時点での最新ルール」が載っているのは確かです。

しかし、基本的に既存サプリメントの該当箇所には、エッセンシャルズ展開時期に加わった新しいルール・アップデートが別途提供されます。HJのサイトにも、日本語版PHBや各種サプリメントのアップデートがもうすぐ追加されます。

また今後もD&D4版のルールにアップデートはかかるでしょうから、エッセンシャルズ・シリーズの製品に対するアップデートも徐々に追加されていくことでしょう。そういう意味で、エッセンシャルズ・ラインの本も、今までのD&D第4版サプリメントと何も変わりがないのです。

エッセンシャルズ・シリーズの本からD&D4版を始めたプレイヤーが、自分のキャラクターに既存の4版サプリメントの特技、パワー、伝説の道、神話の運命、アイテムなどを使わせることはできますし、その逆も可能です。またエッセンシャルズ・シリーズのみを使って作成したPCも、既存サプリのみを使って作ったPCも、両方を混ぜて作ったPCも、問題なく同じパーティで冒険を続けることができます。

ルール上の互換性は100%であり、最初から同じゲーム・システムの中の新データとしてバランス取りがされているため、3版→3.5版のときのように「3版サプリと3.5版を混ぜるのは危険」とか、「3版の呪文、特技、上級クラスなどを3.5版に流用するなら各DMがいちいちバランスの検討をしてハウス・ルールで対応する必要がある」といったこともありません。

ではなぜ、エッセンシャルズ・シリーズが「既存の4版と互換性がない」という誤解を受けやすいのか、私見ながらその要因には、主に以下の2点があるのではないかと考えられます。

1:既存クラスの作成オプションが、かなり大胆な作りになっている。

今までも『○○の書』系サプリメントを中心に、既存クラスの作成オプションがたくさん発表されてきました。例えばファイターならPHBの大業物ファイター、護衛型ファイターに加えて、『武勇の書』で熱闘型ファイターと烈風型ファイターが、『武勇の書II』で喧嘩屋ファイターが追加されたわけです。エッセンシャルズ・ラインの製品、たとえば『Heroes of the Fallen Lands』で追加された「Knight」と「Slayer」も、基本的にはファイターの新しい作成オプションでしかありません。ファイターであることには変わりがないため、たとえば既存サプリメントのファイター専用特技などを修得できます。

ただし、エッセンシャルズ・ラインで提示された作成オプションの一部は、クラスの基本構造自体に大胆なアレンジを加えたものとなっています。具体的に言いますと例えば上記の「Knight」や「Slayer」は1レベルの無限回攻撃パワー、遭遇毎攻撃パワー、一日毎攻撃パワーを有していないため、既存サプリメントからこれらのパワーを持って来て修得することはできません(汎用パワーは普通に修得できます。またヒューマンが既存の種族的特徴を選択し、追加で既存の1レベル無限回攻撃パワーを修得することも可能です)。

ただし今までの作成オプションにしても、たとえば特定のクラス特徴を選んでいないと意味のない特技、喧嘩屋ファイターじゃないと修得しても意味がない、片手が空いていないと使えないパワーなんかもあったわけで、既存サプリメントから流用できる内容の割合が極端に減ったとは言い難いでしょう。

特にPHB2やPHB3などのサプリメントは、それまでに存在しなかったクラスを提示したわけですから、たとえばPHBとPHB2の互換性のほうが、PHBと『Heroes of the Fallen Lands』との互換性より低かったと言っても良いかと思います。

またエッセンシャルズ・シリーズで示されたビルドのすべてが上記のような構造になっているわけではなく、たとえばウィザードやクレリックなどは、もっと今までの作成オプションに近い構造をしています。

2:『プレイヤーズ・ハンドブック』のように「これ1冊を買えばプレイヤーが始められる本」が新たに2冊出る。

PHB2とPHB3の場合、「プレイヤーズ・ハンドブック」という名前がついているものの、これらの本自体には、キャラクターを作成するためのルールや、プレイヤーとして遊ぶためのルールは記載されていませんでした。

つまりたとえば、自分の遊びたいクラス(たとえばシャーマン)が『プレイヤーズ・ハンドブックII』に載っていたとしても、そのクラスを遊びたいプレイヤーは、やはり『プレイヤーズ・ハンドブック』を入手せねばならなかったのです。同じことは既存クラスの新ビルドに関しても言えまして、たとえば「熱闘型ファイター」を遊びたいならば、最低限『プレイヤーズ・ハンドブック』と『武勇の書』が必要となります。

それに対し、エッセンシャルズ・シリーズのうち「Heroes of ...」という名前がついている2冊の本には、既存キャラクターの新作成オプションだけでなく、D&Dをプレイヤーとして遊ぶために必要なルールすべて、D&D4版のPCを作成するためのルールすべて、そしてその本に記載されているクラスを(その本に記載されている作成オプションで)作るためのルールのすべてが記載されています。

つまり「とりあえずこれ1冊を買っておけば、D&D4版をプレイヤーとして遊び、特定のクラス(と作成オプション)のキャラを30レベルまで遊ぶことができる本が、2冊増える」わけです。

D&D4版もアメリカでの発売から2年以上経ったので、新規プレイヤーのエントリー・ポイントがPHB1冊じゃなくてもいいんじゃないか。もう少し増やそうか、という商品なわけですね。

こういった「D&D第4版においてプレイヤー向け基本ルールブックとなりうる本」が増えたことが、一部で「エッセンシャルズは版変えである」という誤解をまねいたのではないのでしょうか。

断言しておきますが、そんなことはありません。エッセンシャルズ・シリーズの本はD&Dに新たなエントリー・ポイントを増やしただけなのです。

またすでにD&D4版を遊んでいるユーザーにとっても、「Heroes」本で追加された新パワーや新特技などは、自分のキャラクターを成長させたり再訓練させるときの新たなオプションを提供してくれることから、『プレイヤーズ・ハンドブックII/III』や、『○○の書』的な感覚で楽しむことのできるサプリメントとなっております。



では次に、これも一部で誤解されているらしい「今後WotCはエッセンシャルズ・シリーズに完全移行してしまうのではないかというデマ」について誤解を解いておきましょう。

実のところ、エッセンシャルズ・シリーズの製品は有限、といいますか、以下の10アイテム「しか」出ないことがすでに明言されております。


★『Dungeons and Dragons Starter Set』

日本語版
http://www.hobbyjapan.co.jp/dd/news/4th_starter/index.html

英語版
http://www.wizards.com/DnD/Product.aspx?x=dnd/products/dndacc/244660000

D&D4版初心者、それ以上にRPGという遊びの初心者向けに作られたオールインワンのボックス・セット。キャラクターを作成し、実際にRPGという遊びを行なうために必要なすべてのアイテムが入っています。

(プレイヤー向けルールブック、アドベンチャー(シナリオ)つきのDM向けルールブック、ダイス、戦場に使うポスター・マップ、PCやモンスターを表すトークン、D&Dで使用する多面体ダイス全種類、このボックス・セットに登場する全パワーをカード化したパワー・カード)

★『Rules Compendium』

http://www.wizards.com/DnD/Product.aspx?x=dnd/products/dndacc/247530000

D&Dの、アドベンチャーを自作したりセッションを行なっている途中で参照したくなる「ルール」がすべて1冊にまとまった本。キャラクター作成のためのデータやモンスターのデータなどは載っていません。

基本的な使い方としては、DMがいったんアドベンチャーを作成し終わり(あるいは既製のアドベンチャーを用意し)、プレイヤーがPCを作り終えているなら、セッションの会場に持ち込む本はこれ1冊で済む、というもの。実際に使ってみると非常に便利で、僕も最近ではセッションにでかけるとき、この1冊しか持ち歩いていません。

★『Heroes』本2冊

http://www.wizards.com/dnd/Product.aspx?x=dnd/products/dndacc/247520000
http://www.wizards.com/dnd/Product.aspx?x=dnd/products/dndacc/247510000

上記で紹介した「もう2冊のPHB」。それぞれ異なった種族やクラスが掲載されているのに加え、キャラクター作成と、プレイヤーとしてD&D第4版を遊ぶために必要なルールがすべて掲載されています。また種族はすべて今までのD&D4版商品でいったん紹介されているもの。クラスも大半は、既存のD&D4版製品で一度登場しているものの作成オプション違いのバージョンとなっています。

★『Dungeon Master's Kit』

こちらはいわば、「もう1冊のダンジョン・マスターズ・ガイド」。ただしボックス・セットです。基本的にはエッセンシャルズ・シリーズからD&D4版を集め始めたDMのための商品で、『Dungeon Master's Book』という本が入っており、それに加えて、新版のダンジョン・マスターズ・スクリーン、2つのアドベンチャー、ポスター・マップ2枚、そして追加のPC/モンスター用トークンが入っています。

★『Monster Vault』

http://www.wizards.com/dnd/Product.aspx?x=dnd/products/dndacc/244650000

こちらは言わば、「もう1冊のモンスター・マニュアル」。こちらもボックス・セットです。モンスター・マニュアルに相当する本である『book of monsters』に加えて、アドベンチャーと、モンスター用の追加トークンが入っています。

★『Dungeon Tiles Master Set』

http://www.wizards.com/dnd/Product.aspx?x=dnd/products/dndacc/198860000
http://www.wizards.com/dnd/Product.aspx?x=dnd/products/dndacc/214430000
http://www.wizards.com/dnd/Product.aspx?x=dnd/products/dndacc/244670000

今までにも発売され、日本でもホビー・ジャパンから販売されてきた『ダンジョン・タイルズ』の、ボックス入り詰め合わせセット。最終的に3セット発売されます。

★『Dungeons & Dragons Roleplaying Dice Set』

ようするに多面体ダイスの詰め合わせ+ダイス・バッグです。新たにD&Dを始めるプレイヤーには、ダイスが必要ですからね。


以上、エッセンシャルズ・シリーズはこの10アイテム「だけ」。しかもご覧になれば判る通り、そのうち3つはダンジョン・タイル、1つはダイスなわけですから、ルールやデータが記載されている本は6アイテムのみということになります。

そしてこれらの10アイテム(最後が12月発売の『Dungeon Tiles Master Set: The Wilderness』)が出た後には、また「エッセンシャルズ」シリーズではないD&D第4版サプリメントが発売されることは、WotCの製品カタログ・ページでも確認することができます。D&D4版というゲームは、まだまた続いて行くのです。
タグ:D&D TRPG
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2010年12月01日

同行キャラクターの勧め:プレイヤーが足りないときのD&D第4版

さて昨日に続いて『ダンジョン・マスターズ・ガイドII』掲載の同行キャラクターのお話をば

昨晩の話題は、すでに予定されていたセッション、連続して遊んでいるセッションに欠席者が出た場合に同行キャラクターを活用する方法についてでした。

ですが本来このルールは、そもそもD&Dを遊ぼうとしたときに、充分な人数のプレイヤーが集まらなかった場合のために用意されているルールです。

TRPGの多くは、一定数のメンツが集まらないと遊べないという宿命を背負っています。その中でもD&Dは、比較的「最低限必要なプレイヤーの人数」がはっきりしているシステムだと思います。

D&Dは基本的に、異なる技や才覚を持ったキャラクターたちが集まってパーティを組み、協力し合って冒険するスタイルを推奨しています。そのためにわざと、1人でなんでもできてしまう万能型のPCは作り難い仕掛けがしてあるのです。

これにより、「他のPCに食われて自分のキャラが活躍できない」というケースが少なかったり、連携プレイが面白い、といった利点を得ているわけですが、一方でプレイヤーの人数を集められないと、パーティ全体としての戦闘力や対応能力がガクンと落ちる、という面も持ち合わせています。

さて、とは言っても、「D&Dは遊びたし、されどメンツは揃えられず」というケースはままあるでしょう。そういうときのために用意されているのが、DMG2の「同行キャラクター」ルールなわけです。同じレベルのPCの代わりに働ける最低限の能力を持ち、それでいてPCよりはずっと取り回しが簡単。プレイヤーが自キャラに加えて使うにもさほど負担とならない軽さ。

このルールの素晴らしさについては、このブログで何度か述べてきましたが、実際に僕自身が同行キャラクターのルールを使ったセッションに参加する機会も増え、いろいろと経験も積みましたので、もうちょっと踏み込んで、実際にプレイヤーが何人なら、同行キャラクターを何人足すのがお勧めか、ということについて書いてみようと思います。

あくまでも私見であり、異論はおありだと思いますが。

1:プレイヤーが3〜4人の場合


基本的には、撃破役、指揮役、制御役、防衛役のPCが1人ずつ居れば、パーティ内での役割不足は起こりません。しかしながら、4版における推奨プレイヤー人数は5人です。

この2年遊んできて思うのですが、役割が4つなのに推奨人数が5人となっているのは伊達ではなく、やはり4人パーティと5人パーティでは安定感が違うのですね。実際のところ、3版、3.5版時代においても、推奨人数は4人でしたが、快適に遊べるパーティ人数はむしろ5〜6人であったというのが僕の感想です。

加えてD&Dの場合、既製アドベンチャーを用いたり、既存アドベンチャーやダンジョン・デルヴから引っ張って来たり、『モンスター・マニュアル』シリーズにあるものを使ったりして、すでにある遭遇をもとにアドベンチャーを作成するDMさんも多いと思います。そして4版における遭遇のほとんどは、PCの人数が5人であることを想定して作られています。

この場合、遭遇を「少ない人数に合わせて」調整するのは、けっこうめんどくさいことが多いのです。特にもとの遭遇に登場するモンスターの数が4体以下の場合には、かなりやっかいです。場合によっては、その遭遇で示唆されている基本戦術自体が役に立たなくなってしまうこともあります。逆に大人数パーティに合わせて調整するときは、遭遇レベルと同じレベルの標準モンスターを1匹足すだけなので、簡単なんですが。

というわけで、プレイヤー人数が3〜4人の場合には、同行キャラクターを足してパーティ人数を5名にしてしまうことをお勧めします。プレイヤーが4人居ても、あえて同行キャラクターを1人足して5人パーティにするのです。

そのほうがDMも遭遇の調整をしなくて済みますし、パーティも安定します。特に前者は重要。ただでさえDMが準備することは多いので、手間はなるべく省けたほうが良いですからね。

2:プレイヤーが2人の場合

基本的には、これがD&D4版で通常のセッションを行なう最低限のプレイヤー人数になると思います。PC2名、同行キャラクター2名で4つの役割をカバー。ハイブリッドやマルチクラスによって1キャラで複数の役割をまかなうこともできますが、その場合でも純粋に頭数の問題として、最低限4人パーティは組みたい。

その一方で、いくらルールが軽いからと言って、1人のプレイヤーがPC1名+同行キャラクター2名以上を操るというのは、ちょっと負担が大きいのではないかと思います。よって、ここで同行キャラクターを3人足して5人パーティにするというのは、あまりお勧めしません。


1で述べた通り、4版におけるデフォルトのパーティ人数は5名。5人用に作られた遭遇を4人用に調整するのは面倒ですし、4人パーティと5人パーティの安定度の差は大きいのです。

加えて同行キャラクターは、そのレベルにおける最低限の能力しか持っていませんので、PCに比べて若干力不足な部分があります。パーティの過半数以上が同行キャラクターとなると、人数分の戦力や対応能力を期待するのは難しいでしょう。

このような場合は、いっそPCのレベルよりも1レベル低い冒険を遊ぶことをお勧めします。

つまりたとえば、いまPCが2レベルであるなら、これに2レベルの同行キャラクターを2人足して4人パーティとし、そのうえで、1レベルPC5人用に作られたアドベンチャーを遊ぶわけです。『ダンジョン・マスターズ・ガイド』にある経験点の表を見ていただければわかりますが、大雑把にいってレベルごとの経験点の差は25%。パーティの人数が1人少ないなら、レベルが1つ低い遭遇を遊ぶと、PC1人あたりの経験点がほぼ同じになります。

あるいは例えば、12レベルで遊び始めることが推奨されている『巨人族の逆襲』をやるときに、プレイヤーが2人しか集まらなかったなら、各人に13レベルのPCを作成してもらい、これに13レベルの同行キャラクターを2名足してキャンペーンを始めるのです。

このほうが、各遭遇をいじくってモンスターの数を減らしたり、モンスターのデータをいじくったりするより、ずっと簡単です。

もっとも、「3人以上のプレイヤーが来るはずだったのに、ドタキャンで2人に減っちゃったー!」などという場合はしかたありません。急遽別のアドベンチャーを用意するというのは難しいですからね。

そのような場合にはアドベンチャーをよく見て、各遭遇を調整するか、同行キャラクターを3人足して5人パーティにするかを考えましょう。プレイヤー諸子がD&D4版のルールに慣れているなら、後者のほうがより手間が省けるかもしれません。

3:プレイヤーが1人しかいない

ガンバレw

というのは冗談で、同行キャラクターを用いれば、プレイヤーが1人であっても、パーティの人数を増やしてD&Dを遊ぶことは可能です。

もちろん、最初からPCが1人であることを想定した冒険を作ることはできますが、『ダンジョン・マスターズ・ガイド』などに書いてある指針やテクニックの多くが参考にならなくなってしまいます。

ですのでこの場合も、1人のプレイヤーに自分のPCと3人以上の同行キャラクターを使ってもらい、1対1で通常のアドベンチャーを遊ぶというのはいかがでしょうか。

もちろん、1人のプレイヤーが扱わねばならないキャラクターが多くなり、負担は増えます。しかし逆に言えば、なにしろプレイヤーが1人しかいないのですから、セッションの間中、そのプレイヤーさんが暇になることは一瞬たりとないわけです。これはこれで、一つの遊び方として面白いかもしれません。


というわけで、自分の体験をもとに、プレイヤーの人数にあわせた同行キャラクターの運用法のアドバイスをお送りしてみました。プレイヤーの頭数が揃わないからといって、セッションの機会を逃してしまうのは悲しいことです。せっかくこんな素晴らしいルールがあるのですから、最大限に活用しましょう。
posted by 遊び人の伸さん at 20:01| Comment(0) | TrackBack(1) | D&D