2010年07月05日

ゲームマスターはもっと気楽に行こうじゃないか

えー、今回の日記はわりとくだけた口調で行きたいと思います。なんとなくそのほうが書きやすい話題なので。

今年に入ってTwitterなんぞを始めたわけですが、TRPGを遊んでいる人とか遊びたがってる人のツブヤキがいろいろ目に入ってきます。TRPGというくくりで緩やかなクラスタができているので、自分が仕事で関わったり興味があるもの以外のゲームを遊んでいる人の声なんかも入ってきて面白いですね。

そんな中で、前々から思っていたことにちょっと引っかかる話題も見かけるようになりまして、ちょいと夕方から年寄りのいらん忠告じみたことを呟いておりました。でまあ、この際だから日記で改めてこの話題を書いてみようかなと。

直接のきっかけは、こちらのTogatterのまとめなんですけど

http://togetter.com/li/33493

今に始まったことじゃないですが、なんだか「ゲームマスターは大変だ」とか、「ゲームマスターは辛い」とか、「なかなかゲームマスターとして上手にならない」って嘆く人がいますよねえ?

これ僕は長年ピンとこなかったんです。

なぜってまあ、中学生のころにトラベラーの日本語版が出てから、かれこれ四半世紀以上もTRPGを遊んできまして、で、割合から言いますとマスターやった回数のほうがプレイヤーやった回数よりたぶんずっと多いんですけどね。

思い返すに、そういう風に悩んだことないんですよ、僕。

いや、プレイヤーに比べて事前準備の量が多いとか、全般的に買うものも多くなるとか、そういう「大変さ」はありますよ? それにまあ、好きなシステムのマスターをやる人が周囲に僕しかいなくて、「僕にもこれのプレイヤーをやらせろー!」てなことは時々あります。

でもね、それ以外の部分に関して言うならば僕にとって、TRPGのマスターをやるってのはプレイヤーをやるのと同じく「趣味」であり「遊び」なわけでして。面白くなかったり非常に辛かったりしたら、そもそもやってません。ゲームマスターをやるのが「楽しい遊び」だからこそ、いいオッサンになってまでメンツを集め日程や会場のアレンジまでして遊んどるわけです。

で、加えて言いますが僕って別にそんなに上手で素敵なマスターじゃないと思うんですよ。セッションの仕切りにしたってそうだし、自作シナリオが凄い面白いかと言われると、そんなに自信はありませんしね。

でもゲームマスターをやることを楽しんでいる。ずっと楽しい趣味として続けていられている。だからこそ「ゲームマスター辛い」って言う人が多いのが疑問だったわけですが。

ここ数年、いやもっと前からかなあ、なんとなくこの「マスターは辛いよ病」にかかっている人の理由の一端が見えて来たといいますかね、僕なりに「こうじゃないの」と思うところがまとまってきまして、

●1:ハードル上げすぎ

ぶっちゃけましょう。あのね、TRPGのマスターする人のほとんどは単に趣味で遊んでるんですよ。プロの作家や漫画家じゃないし、金貰ってリプレイ書いているようなプロのライターさんでもない。接客のプロでも、人あしらいの専門家でもない。

そういう「普通の人」がですね、毎回毎回きちんと起承転結がついてて、ストーリー上の矛盾がなくて、かつありきたりじゃなくて面白いお話を作り上げて。でもって、全てのプレイヤーの提案や「振り」、全PCの設定をきちんと拾い上げて、理想的なセッションを行なう。毎回そんなことを目標にしてたら、あるいはプレイヤーさんたちから、そのレベルを要求されてたら。

そりゃあ疲れますよ。しんどいですよ。

これが苦もなくできるんだったら、その人はとっくにプロの作家なりエンターテナーになってます。

たまにそういうセッションができたときは凄い充実感があるでしょうし、そういう目標に向かって日々努力することが苦にならないって人ならいいんですけどね。正直言って「日々の遊び」の目標地点として設定するには、ちょ〜〜いと高すぎるハードルなんじゃないか、それも無意味に、と思うわけです。

ハードル上げちゃった理由が、プレイヤーとしてすごく上手なマスターに当たった体験から来ているのか、それともリプレイを読んで「こういうのをやるのがTRPGなんだ!」って思っちゃったのか、マスタリング・ガイドのたぐいを読んで書いてあるテクニックを「ぜんぶ会得して使いこなさなきゃダメ」と思っちゃったのか。それともまた何か別の理由なのか、そこらへんはわかりませんが。

いや別にTRPGという遊びはそこまでマスターが「完璧」じゃなくても、充分に面白いですから。てかその程度でぜんぜん面白くなくなるようだったら、たぶん使ってるシステムがあなたの好みと大きく外れているか、あるいはそもそも駄作ですから(アルイハメンツガイッショニアソンデタノシクナイヒトカ)。

もっとハードル下げていきましょう。

「理想」だってね。なんかを見聞きした結果「これが理想なんだ!」って思い込んじゃったところより、実際にTRPGのマスターという遊びをやってるうちに「私はなんとなくこんな感じでやりたいな〜」と思えてきたものの方が、たぶんあなたにとっての「本物」なんですよ。それでいいんだと思います。

●2:わざわざ一番キツいやり方選んでませんか?

上記のtogetterを読んでて僕が抱いた第一印象は

1回こっきりのセッションで素晴らしい物語性とプレイヤーの自由度を両立するなんて、またえらく難易度高いことに挑戦してるなあ

これです。

いやいやいや、そんなのできるの、ごく一部の選ばれたGMが幸運にも良いメンツに巡り会ったときだけだから。

特にプレイヤーの自由な行動とか思いつき。これを極力取り入れたいなら、キャンペーンにすると楽ですよ? だってその回のセッションでGMの想定の範囲外に展開がいっちゃっても、次のセッションまでにその後の展開を修正すればいいだけなんですから。

各PCの設定とかキャラ付けにしたってそうです。わずか数時間、しかも1人で仕切って1回限りの状況で、全PCのキャラ設定をセッション内に活かすってのは難しいですよ。これがキャンペーンだったら、最初のセッションではAさんとBさんの設定しか生かせなかったけど、2回目のセッションではCさんとDさんの設定を話に組み込めたからオッケー、次回の主役はEさんだな、みたいな感じでいいんです。

もしかして日本の若いGMの中には「キャンペーン」とか「同じキャラを使った複数回のセッション」てプレイ環境のことを良く知らなくて、単発セッションより先にある難しいものだと思ってる人がいるんじゃないでしょうか。

いや逆だから。時間に限りのある単発セッションがいちばん難かしいから!

まして初対面の人相手にコンベンションでマスターするとか、いちばんキツいシチュエーションだから!

日本のTRPG業界には90年代以降、コンベンションなどの場での単発の集まりでいかにセッションを「成功」させるかということを目指して、セッション運営の補助になるようなシステムを発達させてきた部分があります。確かにこれは便利ですし、時代がそれを要求していたという面はあると思います。

だからってですねえ、何も毎回毎回、馬鹿正直に単発セッションに挑戦して、挫折味わって「もうGMいやだー」なんてなってる必要はないんです。

元々セッション運営の補助システムなんてのは、あくまでも「単発セッションというキツい状況でなおかつ円滑にセッション運営をするための補助輪」なんですよ。で、この補助輪つけてたって単発セッションがマスターとして一番「キツい状況」なのは変わらないんです。

それにその補助輪はたいがいの場合、キャンペーンや連続セッションにも応用できますしね。

丸1日集まって遊ぶセッションをしょっちゅうやるなんて無理、というのであれば、たとえば1、2時間で遊ぶセッションを数日置きにやるとかのほうが楽でしょう。学生さんだったら放課後に毎日2時間くらい遊ぶだとか、勤め人なら毎週末の午後に短いセッションを遊ぶとか。

ちなみに僕が学生のころやってたキャンペーンには「昼休み D&D」とか「昼休みトラベラー」てのもありました。飯食いながら1時間弱の昼休みの間で遊ぶセッション。その日の冒険の結果が次にどういう展開を生むのかは、ちょっとした家での宿題(いや午後の授業中に考えてましたけどねw)

まあそういうわけで、単発セッションを必ず成功させる、完璧を目指すってのは、世にあるゲームマスターの遊び方としていちばん「キツイ」シチュエーションだと思うんですよ。

これがキツいなー、辛いなー、うまくいかないなー、と思うんだったら、もっと「楽な」、「途中でリカバリーのきく」セッション方式を模索してみてもいいんじゃないでしょうか。


以上、別にこれが唯一の方向性とは言いません。言いませんが、

もしあなたが今現在ゲームマスターとして「辛い」部分が増えちゃってる。あるいはなかなか実際のマスタリングに踏み出せない。

そういう状況にあるなら、この不良中年のアドバイスが、何かのブレイクスルーのきっかけくらいにはなるかもしれません。
posted by 遊び人の伸さん at 21:19| Comment(2) | TrackBack(1) | TRPG